ザイエンス景観・公園施設カタログ1320
253/260

DATA資料251 日本で多く被害をもたらしているシロアリの種類は、イエシロアリとヤマトシロアリの2種です。イエシロアリは関東以南の温暖な海岸地帯に生息し、100万頭に達するコロニーを形成し、発生した場合の被害は大きいが頻度は少ないです。ヤマトシロアリはほぼ全国に分布し、1~3万頭のコロニーを形成し、発生した場合の被害は小さいが頻度は多いです。イエシロアリの場合、水を運んで木材を湿らせて食害する例もありますが、一般に含水率が30%以上の木材を好んで食害します。特にヤマトシロアリは、生息に適する条件が腐朽菌と類似するため、食害と腐朽が同時進行する場合が多いです。 近年ではアメリカカンザイシロアリという従来日本に生息していなかったシロアリによる住宅部材の被害が増えています。 シロアリは、日光や乾燥を嫌うため木材内部を食害し、外層を残すので発見しにくいですが、被害部位は外から叩けば空洞音がするので分かります。シロアリは分類上ゴキブリに近い(※)ですが、その名のとおり白いアリの形状をしています。アリとの識別は、4~7月に発生する羽根アリの羽根で識別できます。左右2対の羽根が同じ長さであればシロアリであり、長短2対の羽根であればアリです。また、アリは胴がくびれていますが、シロアリはずん胴です。図2ー1 シロアリの形態(しろあり詳説より)シロアリの食害シロアリ●屋外設置の木製施設には加圧式保存処理木材を使用することが重要です。●軽度被害の場合はシロアリ駆除の後、表面処理用木材保存剤の塗布を行います。 重度被害の場合は部材交換を行います。シロアリの食害シロアリの食害内部シロアリ※シロアリはゴキブリ目シロアリ科に属する。アリ蟻害●対策・対処

元のページ  ../index.html#253

このブックを見る