木材腐朽菌は木材の成分を分解し、エネルギーとして利用します。木材腐朽菌は、一般的に木材含水率が50%〜100%において活性は最大となり、25%以下で発育が停止します。木材腐朽菌は好気性菌であり、生育には酸素を必要とします。低温菌(24℃以下)から高温菌(32℃以上)まで様々な温度を好むものが存在し、通常の野外環境は多くの木材腐朽菌の生育に適した温度です。柱頭部の腐朽横木天端の腐朽●屋外設置の木製施設は設計段階から雨水の停滞を招かない構造とすることが重要です。●屋外設置の木製施設には加圧式保存処理木材を使用することが重要です。●軽度の腐朽の場合は腐朽箇所の除去の後、表面処理用木材保存剤の塗布を行います。重度の腐朽の場合は部材交換を行います。 298地際部の腐朽地際部の腐朽地際部の腐朽木口からの腐朽腐朽腐朽菌と生育条件木材が腐朽する4つの条件●対策・対処 木材の経時的な劣化で、強度低下や破損などを起こす原因はほとんど腐朽であり、野外に設置された木材の耐久性を左右します。 腐朽は主として担子菌類が木材を栄養源として繁殖することによって起きます。通常、木材腐朽菌と言えば担子菌を指します。担子菌類は、木材の中で綿状の菌糸の状態で活動していますが、ある時期に子実体とよばれるキノコを発生させる菌の仲間であり、サルノコシカケやシイタケもこの菌類の仲間になります。 木材腐朽菌は生物であり、繁殖するためには次に示す条件がそろわなければなりません。逆説的には、これらの条件のどれか1つでも完全に断てば木材の腐朽は起こらず、これが木材を長持ちさせるポイントでもあります。①栄養(栄養源としての木材)②水(生理活性を助ける)③酸素④温度(生育に適する温度)【資料】木材の劣化と対策・対処
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