ブックタイトルザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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概要

ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

1.木材の性質1.1寸法変化生材、湿潤材には、木材の細胞壁に吸着している水分(結合水)と、それ以外のすきま等に液体として存在する水分(自由水)が含まれている。自由水が存在せず、結合水のみが存在する最大の含水率を繊維飽和点と呼び、どんな樹種でも共通して25~30%の範囲にある。自由水の量が変化しても、木材は収縮しないが、細胞壁に結合して木材を膨脹させている結合水がなくなると、つまり繊維飽和点(25~30%)以下になると、蒸散した水分に比例して木材は収縮する。木材は、長さ方向と半径方向(柾目面)と接線方向(板目面)でそれぞれ収縮率が異なる性質を持っている。長さ方向はほとんど収縮しないが、生材~全乾(含水率0%)までの収縮率は柾目面及び板目面においてそれぞれ約5%と10%である。例えば二方柾として挽かれた100mm角の生材を含水率0%まで乾燥させると、柾目面は約95mmに、板目面は約90mmに収縮する。(下図参照)この収縮率は樹種によっても異なるが、傾向は同様である。このように収縮率には各方向によって違いがあるため、様々に木取りされた木材は、収縮率の違いによる変形が起こる。変形の例を図1ー1に示す。製材品は商慣習上、挽き立て寸法の表示で流通している場合が多い。したがって、製材品の実寸は、乾燥、収縮によって表示寸法を満たしていない場合が多い。また加工時に寸法精度良く作製しても、施工後では、その後の乾燥により精度に狂いが出る場合もある。5%収縮(100→95mm)柾目板板目板(二方柾)角材板目板10%収縮(100→90mm)(二方柾)角材辺材木表心材木裏柾目板図1ー1木取り断面と収縮方向(wood handbookより)248木材の知識