ブックタイトルザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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概要

ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

1木材の性質1.2乾燥割れ1)原因割れは、寸法変化と同じく、乾燥による収縮率の異方性と、乾燥過程における表層と内部の水分傾斜によって生じ、避けることは困難である。更に、屋外に設置された木材の割れは降雨等による湿潤と好天候による過乾燥の繰返しにより助長される。(1)収縮率の異方性に基づく割れは、正確な二方柾や薄い板には少なく、丸太や断面の比較的大きな追柾や芯持ちの角材に多い。前者は収縮しても材内部のひずみ(内部応力)は小さいが、後者は収縮率の異方性や材内の水分傾斜により大きな内部応力を生ずるからである。乾燥前乾燥後乾燥割れ(収半縮径小方向)(収接縮線大方向)図1ー3丸太の乾燥、収縮による割れ(2)乾燥過程の水分傾斜に基づく割れ薄い板はほぼ平均的に乾燥するが、断面の大きいものは表層から乾燥し、その過程において表層は気乾に近く、内部はまだ30%以上という状況が生ずる。つまり、表層は乾燥によって収縮するが、内部は含水率が高いままなので収縮しない状況になり、表面に割れが発生する。正確に二方柾に木取りした角材でも断面が大きい場合、材面に割れが生ずるのはこのためである。図1ー2水分傾斜による割れ乾燥し収縮2)割れ幅の測定例野外に数年間曝露された木材の割れ幅を測定したデータは少ないが、電力会社が敷設されて数年を経た木柱の最大割れ幅を計測した例を参考として示す。図1ー4 4~6年経過した木柱の割れ幅の程度6060出出現50現50頻頻度40度40%30% 3020201010未乾燥未収縮水分傾斜による割れ00.0 0.1 2.5 5 10 15割れの幅mmベイマツ00.0 0.1 2.5 5 10 15割れの幅mmスギ未乾燥干割れなし表層のみ乾燥干割れ発生(3)乾湿繰り返しによる割れの助長野外に曝露された木材、例えば横置きした丸太は、下部は日影で雨もかからないので水分の変動が少ないのに比較して、上面は過乾燥と湿った状態を繰り返すことになる。このため、上面に割れが発生し、割れが閉じたり開いたりを繰り返すことによって、この部分が全体の内部応力の緩和を行うことになり、幅が広く深い割れに進行する。3)割れ抑制対策割れを抑制する対策としては、割れにくい木取り、背割り処理、芯抜き処理、割れ抑制剤の注入などがある。当社では、これらを単独あるいは複合して、対策を行っている。■ザイエンスの割れ抑制対策ザイエンスの加圧注入用木材保存剤ペンタキュアECO30には割れ抑制剤が配合されています。また、割れを抑制する方法として、柱や横木などの部材に背割加工を行うことも可能です。木材の知識249