ブックタイトルザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

2.3カビカビは木材の組織中には深く浸透せず、湿った木材の表面の木材抽出成分等を栄養源として成長する。黒色、緑色、紅色、黄色の様々な種類があるが、木材組織を劣化させず、表面が乾燥すれば活動を停止する。ただし、着色した菌糸はそのまま残るので表面は汚れたままになる。対策としては事前及び定期的に防カビ剤を塗布するか、防カビ剤入りの塗料を塗布する、又はサンドペーパーなどで削り落す。腐朽2木材の劣化2.4その他の劣化現象木材は酸、アルカリ、酸化剤等の化学物質により変色・変質することがあるが、通常の使用状況で問題になることは少ない。問題になるのは、光と風雨による劣化、いわゆる風化である。日光、風雨にさらされた木材は、下記の理由で徐々に灰白色化して行く。この風化は、周囲の景観とマッチする場合と、そうでない場合がある。腐朽が伴わなければ、変色は表面のみに止まる。初期の外観をできるだけ保つには、塗装等を定期的に行うのが良い方法である。蟻害1)光による劣化光は可視光線でも木材を変色させるが、特に紫外線は木材に含まれている成分を化学変化させ、表層のリグニンを分解し変色を起こす。濃色材でも淡色材でも木材を野外に曝露し日光を当てると、一旦濃色化(着色成分の化学変化)し、やがて灰白色化(着色物質やリグニンが分解)する。樹種によって着色物質の成分が異なるため、変色の程度も異なり、レッドウッド等は初期の赤褐色の木肌が一時的に黒褐色に変わり、暗灰白色となる変化の激しい例である。2)風雨による劣化風雨による劣化は、光による劣化と並行して起きる。光により分解されたリグニンが雨により流出し、繊維状に残されたセルロースが脱落することで表面から徐々に劣化が進行していく。また、年輪の硬い部分(晩材部)と柔らかい部分(早材部)では光や雨水に対する抵抗性が異なるため、年輪に添った凹凸が生ずる。光による劣化設置時設置から3年経過風雨による劣化木材の知識251