ブックタイトルザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

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ザイエンス景観・公園施設カタログ1214版

4.木材の保存処理木材を屋外で長期間使用する場合は、木材の保存処理が必要です。木材に保存処理を行なうことで、耐朽性が高くなり、木製エクステリアの耐久性・安全性を確保することができます。ここでは木材の保存処理方法について紹介します。4.1保存処理方法木材の保存処理方法には、様々な方法がある。通常は、表面処理法(塗布、浸漬)と、加圧注入処理法が行われている。表面処理は薬剤を塗布や浸漬する比較的簡易な方法であるが、薬剤は表面のみにしか存在していないので、表面劣化や割れが生じた場合、保存性能が低下してしまう。したがって、住宅の床回りや壁材の処理に使用されることはあるが、風雨に曝される屋外の部材に、表面処理のみで使用される例は少ない。加圧注入法は、薬剤が表面だけでなく、内部にも浸透しているため、乾燥割れが生じても無処理面が露出し難いので、屋外使用での信頼性が高い。したがって、屋外で使用される木材の場合、この方法によって処理されていることが多い。加圧注入法は保存処理方法として最も信頼性の高い方法であるが、含水率の高い材料や、元々液体の注入が困難な樹種に適用する場合は、期待するほど耐久性が向上しない場合もあるので樹種の選択、材料の乾燥に十分注意する必要がある。また、加圧注入処理材であっても地際部分や後加工を施した部分への付加処理として、表面処理を併用する場合もある。また、既設施設において著しい乾燥割れや部分腐朽を生じている場合の補修方法としては表面処理が用いられる。4.2保存処理の必要性木材は、二酸化炭素の貯蔵庫とも言われ、製造時のエネルギー消費の少ない環境に優しい資材である。しかも、木材は再生可能な唯一の資源であり、適正な利用によって森林整備を行なうことにより、有効に二酸化炭素を吸収することができ、地球温暖化の防止に貢献できる。適正な森林整備によって採出される木材(間伐材も含む)を利用する際、何も手を加えない素材の木材を、高温多湿な日本の屋外で使用すると、3~4年で腐朽やシロアリの被害を受け、二酸化炭素を放出してしまう。木材に適切な保存処理を行えば、屋外の厳しい条件であっても10年~20年もしくはそれ以上の長期間、健全さを保持し、それによって(ライフサイクル)コストの低減も図ることができる。特に、耐朽性の低い間伐材に加圧式保存処理を行うことによって、耐久性は増し、環境に優しい有効利用を図ることができる。CO2CO2無処理材の場合設置・キノコが生えて腐ってしまう・シロアリに食べられてしまう3~4年で腐り、水とCO2に分解してしまうCO2加圧注入処理材の場合保存剤を加圧注入する設置・キノコの発生、腐れを防ぐ・シロアリをよせつけない10~20年たっても大丈夫CO2も出さない256木材の知識